受注生産、天下茶屋灯籠製作~岡崎産宇寿石でノミ仕上げ

岡崎市、名古屋市中心に活動させていただいております近藤石材店の近藤です。

弊社に三重県の造園会社様が灯籠のカタログを持参し訪問して下さいました。

以前弊社の舟着灯籠をご購入して下さった経緯があり、灯籠のお問い合わせで遠方から来てくださいました。

内容は天下茶屋灯籠があるか?ない場合見積もりお願い致します。という内容でした。

 

一度も製作したことがなく周辺に見本も無く困っていましたが、行きつけの飲食店で天下茶屋があったので
見本にさせていただきました。 若干大将の方でカッコよくなるようにバランス調整をし製作に取り掛かりました。
製作工程の紹介です。 正直このように紹介したら技術のある石屋さんは真似できてしまうと思いますが
数少ない職人にも出来るようになってもらえれば光栄なのでご紹介します。

 

宇寿石を規格サイズにカットし受けから製作します。
天面は火袋が来るのでビシャン仕上げです。見える部分はノミで仕上げてます。 スキルソーを使用し水垂、
脚のくびれ部分をカットし、溝の基準を作ります。 四つ足を治具を使用し形状を決定し厚刃で形成します。

   

ノミが入らない部分はコンプレッサーで粗取りします。

脚や尖っているところも弱いので、コンプレッサーで仕上げます。
下記の画像のように成形したら完成です。

 

火袋部分は4角太鼓型でノミで基礎を製作します。角が欠けないように注意が必要で、
また細かくなりすぎないようにノミで仕上げるのは難しいです。

 

正面左面は太陽をイメージした抜きを作ります。穴あけ機で穴を開ける前に2枚目まで仕上げます。

 

正面右面は月をイメージした抜きを作ります。

 

正面です。格子状に窓を作ります。この加工は非常に時間が掛かるのと破損しないように慎重に製作します。
裏面は抜くだけなので省きます。
各面2枚目まで完成したら、穴あけ機で芯を抜きます。 その後3枚目まで施工し完成させます。

 

 

格子状に成形する作業です。コンプレッサーで細かく穴が均等になるようにしっかり仕上げます。

 

笠は最初、織部灯籠の笠を作るように 成形します。 その後隅棟と呼ばれる部分を成形するためにスミを引きます。
薄刃でカットしその深さまで一段屋根を下げます。 私はノミでやりました。電動工具も使用していいです。

3枚目のようになれば完成です。

 

玉は治具を使用しノミで仕上げます。玉は笠に差し込み式で製作しました。

 

 

そして完成です。

 

とてもかっこいい。素晴らしい灯籠が完成しました。 あまり見たことのないような灯籠で良いですね。

 

お施主様に納品させていただき大変喜んでいただきました。

持参したカタログは中国製品のもので、全然こちらの方がカッコよくて素晴らしいと絶賛していただきました。

弊社は一度に3基製作させていただき、2基売れてしまいました。

 

残り1基なので気になった方はお問合せ下さい。

 

以上近藤でした。